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🐦 鳥の言葉がわかる!?動物言語学者インタビュー
小・中学生【概要】
区の鳥であるシジュウカラが鳴き声で言葉を話していることをご存知ですか?科学エッセイ『僕には鳥の言葉がわかる』の著者である動物言語学者、鈴木俊貴さんのインタビューをお届けします。鳥たちが生きる世界の奥深さや野鳥観察の面白さについてお聞きしました。これを読めば、あなたも「鳥語」が分かるかもしれません。
【インタビュー内容】
私は小さい頃からいきものが大好きで、姿形が自分と全く違ういきものたちが、みんな一緒に地球で暮らしていることを不思議に思っていました。「虫や鳥たちは何を考えているのだろう?」「世界をどう見ているのだろう?」そんな疑問が、学術的な問いだったことに気が付いたのは、もう少し大人になってからでした。
鳥を身近に感じるようになったきっかけは、高校生の頃に双眼鏡を手に入れたことです。双眼鏡を通して自然界にいる鳥たちの自由な姿を見るのは、外からいきものを持ち帰って観察するのとは大きな違いがあります。巣を作っていたり、子育てをしていたり。そんな鳥たちを見ると、まるで自分が動物の世界へ入り込んだかのような感覚になれるんです。そうして野鳥観察にのめり込んだ私は、鳥たちをもっと深く知るために研究者になりました。現在は鳴き声に焦点を当て、鳥たちが話す「鳥語」について探究しています。
鳥語研究をしていると、鳥に関する面白い発見や、新たな視点にたくさん出会います。その一つが、「シジュウカラは自らの知恵で生きる世界を広げている」という事実です。目黒区に限らず、都内ではここ50~60年でシジュウカラが増えています。きっとシジュウカラの世界の中で、植木鉢などの人工物をうまく利用して生きていく文化が広まっているのでしょう。鳥たちは植木鉢に巣を作れることが本能で分かっているわけではありません。生活の中で文化を生み出し、自分たちの手で世界を変化させています。これは私たち人間と同じです。
シジュウカラに関する新発見を語る上で、鳴き声の話は欠かせません。実は、人間だけでなく鳥も言葉を話しているんです。「ジャージャー」と鳴いたら「ヘビ」、「ヒヒヒ」と鳴いたら「タカ」という具合に。さらに、二つの鳴き声を組み合わせて文を作っていることも明らかになっています。「警戒しろ」を表す「ピーツピ」、「集まれ」を表す「ヂヂヂヂ」を組み合わせて「ピーツピ・ヂヂヂヂ」と鳴き、「警戒して集まれ」と周りに伝えていることが分かりました。これまで、鳴き声は単なる感情表現だと考えられてきましたが、鳥たちにはきちんと言葉を使って仲間とコミュニケーションを取る力があるんです。まちを歩いていてふと聞こえてくるさえずりも、もしかすると「鳥語」なのかもしれませんね。
さらに鳥たちを観察していると、メジロとシジュウカラはお互いの言葉が分かるということに気が付きました。違う種でも言葉が通じるのは、人間に例えると多言語話者みたいで面白いですよね。それぞれ鳴き声は違っていても言葉が通じるという事実が、混群(※異なる種の鳥が、一つの群れとなって行動すること)として生活する鳥たちの世界や生き方を特徴づけていると感じます。
動物たちのコミュニケーションを新しい視点から研究するために、「動物言語学」という分野を創りました。現在はシジュウカラをメインに行動観察や実験を行っていますが、もっと多くの動物が言葉を話しているのではないかと考えています。言葉は人間だけのものだという固定観念を取っ払い、動物言語学という新しい枠組みから、いきものたちが話す言葉についてさらに研究を深めたいと考えています。
これまで私たちは鳥たちが話していることに気が付いていませんでした。先入観はもちろんですが、身近な自然に目を向ける機会が減っているのも原因の一つだと考えています。動物たちの言葉を聞き、その世界に気付くことができれば、自然とのつながりを取り戻すことができるはずです。そのために、今後も広く社会に動物言語学を発信し続けたいです。
近々、『僕には鳥の言葉がわかる』の子ども向けバージョンが出版されます。小・中学生に興味を持ってもらうため、漢字に読み仮名を振って読みやすくしました。鳥たちの世界を知ることで、子どもたちにもぜひ「ワクワク」を感じてほしいです。
都内にシジュウカラが増えてきている今は、まさに絶好の野鳥観察チャンスです。まずは一つでいいので、シジュウカラ語を覚えて観察してみてください。世界の解像度がぐっと上がる感覚を体験できるはずです。スマートフォンの画面上ではなく、自然の中で自分なりの発見をし、「ワクワク」を体験してほしい。その第一歩として、私の発信が鳥の声に耳を傾けるきっかけになればうれしいです。『僕には鳥の言葉がわかる』の巻末には鳥の声が聞ける二次元コードをつけているので、よければ聞いてみてください。
【鈴木俊貴さんプロフィール】
東京大学先端科学技術研究センター准教授。動物行動学の分野で鳥語研究に従事し、シジュウカラの音声コミュニケーションに関する論文が世界的に評価される。令和4年の国際行動生態学会で、新たな学問である「動物言語学」を提唱。自身の研究をまとめた科学エッセイ「僕には鳥の言葉がわかる」は発行24万部のベストセラー。
【プレゼント情報】
鈴木俊貴さん直筆サイン入りの「僕には鳥の言葉がわかる」を抽選で5人にプレゼントします。詳細は15ページをご覧ください。
【シジュウカラの「鳥語」の例】
・ピーッピ ヂヂヂヂ:「警戒しろ」「集まれ」
・ビビビビビ ツツピー:「餌をちょうだい」(ヒナの声)
・「縄張り宣言」
カラ類の仲間は他種であっても、鳥語の意味を理解しています。
【関連情報】
16ページでシジュウカラを紹介しています。特集と併せてご覧ください。
【問い合わせ】
広報広聴課(電話: 5722-9486、5722-8674)